2012年 38歳の時に落成した記録です

500wで送信すると、ほぼ確実に電波障害が出るそうです

もし障害の出た家から総務省へ通報されたら
無線局の停止命令になり、
立ち入り検査など、
冗談では済まなくなりますので、
確実な対策が出来るよう、
参考日記を掲載いたします!

500w免許の落成 取得日記

無線局免許情報がネット公開されるようになってから

100w免許なのに妙に信号が強いなあって違法局が

まるで手に取るように分かるようになりました。

100w局免許なのに
500wリニアを内緒で隠れて使うなんて
馬鹿正直な私の性格からすると
信じられない話ですし
そこまで墜ちた人間にはなりたくないです

男ならば!正々堂々と申請しようと 体当たりで調査からはじめます!

30代のうちに、ハイパワー局にチャレンジするぞ〜!

2012年8月。申請書を郵送しました。
思い立ってから 免許なるまで最短でも
半年〜1年以上はかかるらしい ので、
早めに書類だけでもと思い、
手を付けてみました。
来年2013年の夏までには免許なると
いいなあという勢いで。

たまたま、移動しない局の、
局免がありましたので、
これを 500wへ 変更申請という方法で
いくことにしました。

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 1、無線設備等の変更申請書
    リニアは付属装置ではなくて、「送信機の部分変更」にチェック。
    1アマの従事者免許証の番号もチェックいれます。

 2、工事設計書
    実際に電波の出せないバンドは申請できません!
アンテナのないバンドは申請できません。
実地検査で確認されます。
    従事者免許証番号は確認されるので必ず記入。
    2アマの免許番号ではだめです

 3、送信機系統図
    エキサイタ・
リニア
LPF
CMF
ANT
アンテナ切り替え機
電源ライン
グランド
          を詳しく記入。
      品名メーカー型番も書き込む。

 4、エキサイタの送信機系統図
    エキサイタのマニュアルにあるので
    参考にするか、コピーして流用

 5、電波防護指針に基づく電界強度確認表
    エリアごとに様式がまったく違いますので
    同じエリアの経験者から聞くこと


    http://www.jarl.or.jp/Japanese/2_Joho/2-2_Regulation/kankyo/ur001b.htm


  で概要がわかります。
  各バンドごとに計算します。同軸の損失も計算に入れると、
給電部での電力が少なく計算できますので電界強度も低くなります。(これがポイント!!)
空中線利得がそれぞれ違いますので間違わないように代入します。 
  距離は、道路・隣家との境界線までの距離を代入します。
計算値が電界強度の基準値を超える場合には、定格電力を低くして申請する。

 6、アンテナを中心とした平面図
    これでもかというくらい、寸法を記入しまくること!

 7、アンテナを中心とした立面図
    これでもかというくらい、寸法を記入しまくること!

 8、アンテナを中心に半径100m以内の家屋や建物の設置状況
    住宅地図を拡大コピーして
    100m範囲をコンパスで円を描く。

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ここまで、書類作成に3日間かかりました。
めんどうくさい!。
技適やtssが当たり前だったので、
すでに書類作成の段階で挫折しそう(泣)

前回の書類を、総通あてに郵送してから、
しばらくして封筒が送られてきました。内容は。

 「無線局指定変更・変更許可通知書」

変更工事の許可が出たぞ!ってことで
さっそく、取り掛かります。
500wで運用できる状態に配置・接続します。

「試験電波発射届」に
発射日時・電波の型式・周波数・空中線電力 を記入します。
「許可」では無くて「届け」なので
投函した時点で電波出しちゃいます。

試験電波発射にはダミーロードは必需品ですので
近くのハムショップで買ってきました。
7、5k円くらいだったと思います

スーパーで、てんぷら油を4リッター
買って来てダミーロードに注入します。
500wで数分すると
ダミーロードのてんぷら油が、あったかくなります。
てんぷら油の欠点は、対流しない!ので
抵抗rの周辺ばっかし熱くなって


底の油は冷たいままです。
変圧器用絶縁オイルは、
ちゃんと対流するそうです。

さて、問題はこのあとになります。今のところ順調

この本をじっくり読んで、
障害について基本知識を頭に入れます。
ただ単に怖いと思っていた障害に対して、
メカニズムと対処法が丁寧に書かれてます。

読むと、ハイパワー局には障害は必ず出る!
ということが理解できます。
余計に怖くなりました!
少し甘く考えすぎたようです。


古い設備では「高調波」を考慮するとこですけど
今回は最新式のリグ・リニアなので
基本波による「コモンモード電流」が
最も気をつけなくてはいけない項目のようです。


コモンモードってなんだ?、
洋菓子の名前か?って思いましたけど、

1アマの試験勉強で苦労した
キルヒホッフの法則
そのまんまじゃありませんか。
ノーマルモード電流が当然と思っていたら大間違い!
実際には何らかの原因で電流に差ができて、
コモンモード電流が発生するようです。
アンテナのインピーダンスもちょっとした事で変化しますので、
無線をやる以上は、避けては通れない道のようです。

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今まで、コモンモード電流の知識も無くて電波出してたことが
恥ずかしくなってきました

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   1、アンテナの給電部にコモンモードフィルター(CMF)を入れます。

   2、MTU(マニュアルチューナー)のアンテナ側に、
      LPFと、CMFを入れます。

   3、コモンモード電流の戻りを極力なくすために、
      MTUの台を金属を使わないで完全木製にて自作し、
 側面に、ベニヤ板を貼り付けて配線します。

   4、電源にノイズ兼CMFを入れます

   5、設備の配置を、

エキサイタ → CMF → リニア → CMF → MTU → LPF → CMF

       というように電波の流れに沿って配置し、
       同軸どうしでの容量結合を防ぎます。

   6、リニアの電源ケーブルに
       CMFを入れます。

   7、エキサイタの電源ケーブルに
       CMFを入れます。

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あとは、フェライトバーを15本準備して、
発生時に備えます。
こんなに面倒だとは思いませんでした。
ここまできたら、もう後には引けないっていう感じです


郵送されてきた
「無線局指定変更・変更許可通知書」に

1、無線局試験成績書
2、電波障害調査書
3、電波障害調査総括書

の3種類の書類が同封されてきました。
落成届けの提出のときに、
これの提出が必須になります。

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まず、
 1、無線局試験成績書。

これは、各エリアによって様式がまちまちですが
項目はだいたい同じようで、
指定周波数・指定空中線電力・周波数偏差・空中線電力・測定空中線電力
の項目に並んでいます。詳しい書き方は

 1、指定周波数
    変更許可書に記載されている周波数を記入します。
    例えば3.5メガは
    3537.5KHZといったぐあいに
    そのまんま書きます。

 2、指定空中線電力
    変更許可通知書に記載されている
    電力をそのまま写します。

 3、周波数偏差
    実地検査のときに測定しますので
    空欄にしておきます。

 4、空中線電力
    リニアアンプのメーターから
    Ep(v)、Ip(A)を読み取って記入して、
    この掛け算をPt(w)の欄に記入します。
    定格出力とだいぶ違った値になりますけど
    気にしなくていいそうです。

 5、測定空中線電力
    実地検査のときに測定しますので
    空欄にしておきます。

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 2、電波障害調査書

これが同封されていて驚きました。
OMさんの話では、
自分で文章を考えて作ったという話でした。
これを近所に配ります。

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3の調査総括書 は、あとでまとめて書きます。
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さて、調査書をもって お宅を1軒1軒、まわります。
さっそく出ました出ました。
お隣さんに障害が出ました。
ピンポンが勝手に鳴るそうです。
ぴぴぽぽぴぴぽぽ!!!
止まらなくなり。
さらに、
親機のモニターにノイズが入ります。
親機は壁に固定されていて、
配線は壁の中に埋め込み配線されています。
ボタンから親機までの配線は7mくらい。
アンテナと平行になっているではありませんか。
すぐにメーカーの修理受付ダイヤルに電話します。
すると、お隣06県から来るそうです。

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後日サービスマンにきてもらいすぐに話の内容が通じました。
よくあるケースだそうです。
親機の裏の配線にハイインピーダンスのコイル入れて終わり。
あっという間です。
「過去にこの部品で1kwのアマチュア局の障害が止まったんです!」
って言ってます。
さすがはノウハウをお持ちのようです。
以後、ピピポポ鳴らなくなりました。
費用請求はありませんでした。
もし費用請求されたら

「お前の会社が障害防止対策を怠った製品作った結果だろう」


と逆切れしてやる勢いで
いきり立ってましたけど、
爆発せずに済みました
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早速、書類作成に入ります。
1、「電波障害調査総括書」を作成します。
    記入方法は、常置場所に「×」。
    あとは調査対象の家屋に
    数字をふっていきます.

2、無線設備変更工事落成届に
    収入印紙11650円分を貼り付けます。

ここで気がつきました。お金が飛ぶようにかかる!

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送付する書類は以下のとおりです。

1、無線設備変更工事落成届
2、無線局試験成績書
3、電波障害調査総括書
4、電波障害調査書(件数分すべて)
5、A4白紙に手書きで、最寄の駅からの行程(地図)
だいぶ分厚くなって
折り曲げられなくなったので
大きい封筒で郵送します。
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2週間ほどして、携帯電話に総通より連絡が!入りまして

「書類に不備ありませんでしたので
  正式に受理いたしました。
  つきましては落成検査の日程について
  ご相談したいのですが・・・」

「え!OMさんから聞いた話では
  受理から検査まで
  通常6ヶ月待ちと
  聞いたんですけど!」

あれよあれよという間に、検査当日になりました。
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事前打ち合わせの時間とおりに、来ました来ました!。

  50代くらいの男性検査官。 
    ヒゲ生やしてます。緊張してきました。
  40代くらいの色っぽい女性事務官。 
    エリートさんってかんじ。

敷地内を穴があくほど見てます。
さっそくシャックに案内します。

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まずお二人さんから名刺をいただきました。
対面した状態で、姿勢を正して、、、


検査官 「これより無線局の落成検査を開始します!」 (開始宣言)

1、「まず書類の確認をします」
   ・無線従事者免許証(1アマの)
   ・無線局指定変更・変更許可通知書
(アマチュア局は無線検査簿・法令集・時計は省略されています)


2、「無線設備を確認します」
   品名・ロット番号・配線方法を確認しています。
   リニアアンプの構造を聞かれますので取り説とおりに説明します。
3、「周波数偏差を検査します」
同軸の分配器みたいのを出してきて周波数カウンタにつないでいます。
「各免許の周波数に合わせてから0wから徐々に上げていってください」
カウンタの値を女性事務官が書き取っています。
4、「最大電力を検査します」
    ごっつい電力計を取り出して、
    出力はダミーロードにつなぎます。
   「各周波数に合わせてから最大電力で送信してください」
    緊張して、リニアのバンドスイッチ間違えて
    送信して安全装置が作動したり
    あたふた。

あれれ?パワーが思うように出ません 450w しか出ません。

ふとメーターのバックランプが、
送信時に暗くなるのに気がつきました。
やばい電圧降下起こしてます。
電源は別のコンセント使わないとやばい。
検査官が何ていうのかドキドキしましたけど


   「許容範囲内なのでいいです」  だって。

5、「実際にフルパワーで交信をしてください」
やばい!!!マイクどこにしまったっけ!!!!
無い〜!!!汗汗汗汗・・・。

  「マイク無ければCWでもかまいません」  と言ってくれました。

7.018MHzで、バグキーでCQ だしますとJAGAWPさんからコールあり、

   AAV 「 イマ 500ワツト ノ ラクセイケンサ チユウデス 」
   AWP 「 ソレハ オメデトウ ガンバツテネ 」

検査官の方は聞き取れてるのかな? 
相手のコールサインと交信時間を書いてました。

6、「アンテナの確認をします」
外に出てアンテナを確認してます。

   「説明してください」  と言われて説明します。
検査官 「このタワーは足場パイプで自作されたんですか?強度的に問題ありませんか?」
AAV  「すみません落成検査は6ヶ月待ちとお聞きしたので来春まで市販品タワー考えてたんです。
      それまでの応急的です、台風のときもバッチシ!びくともしませんでしたよ!」
検査官 「図面と大きく違った箇所は認められませんのでいいでしょう」

検査官 「障害の出た家はどこですか?」
    どうやら留守のようでだれもいないです困りました。
検査官 「対策後は発生してないとのことですので・いいでしょう」
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シャックに戻ってから、対面して、

検査官 「 これより 無線局検査結果通知書 を発行します! 」



検査の判定!の欄に 「合格」 って
書き込んでいるのが見えました!
表彰状もらうみたいにして
1 、 無線局検査結果通知書(合格!って書かれたかみ)
2 、 500wの無線局免許状(発効日のみ手書き)

を渡されます。

  「古い免許状をください」 といわれて渡します。



落成検査はこれで合格したってことになります。
まずは一安心。
ここまで約40分でした。

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すぐにもらった新しい免許状の左下の、
発効日は手書きで書いてくれました。
不合格だったら、
そのまま持ち帰るためでしょうね。

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合格した となると 
緊張も いっきにほぐれて 
気が楽になりました。

30代 のうちに なんとか クリアーできました。



さて、検査官の方と お話できるなんて 
なかなか ありませんので、
短い時間の中で、
すこし教えていただきました。

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落成検査を受けるひとの年齢層はどのくらいなんですか?




ほとんどが、定年を迎えて
第二の人生を無線に使おうという方たちで、
30代の 人が 検査を 受けるというのは 
大変めずらしいことです。
私たちも、どんなひとだろう?
とお伺いしました。

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アマチュアのバンド内で違法局のモニターとかってしてるんですか?



エリア内の各県に、
受信用のアンテナが設置してありまして
常時監視しています。
アマチュアだけでなくて
いろんな無線を監視しています。
アマチュアバンド内も
受信しています。
それが仕事ですからね。




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